【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
私たちは 美容皮膚科と美容内科 の両面からアプローチし、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。
特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
お一人おひとりの悩みに寄り添い、美容皮膚科施術と美容内科のバランスを丁寧にカウンセリングしながら、最適な治療プランをご提案させていただきます。
はじめに

「たるみ治療を受けても、思ったより変わらない…」と感じられたことがある方も少なくないのではないでしょうか。実は、“肌の土台”である真皮が衰えていると、どんな治療も十分な効果を発揮できないことがあるのです。特に30代後半以降は“肌育(真皮の再生)”がカギになります。今回は土台からのたるみ治療についてお話します。
1.真皮の加齢変化と、たるみとの関係

真皮とは、表皮の下にあり、肌の弾力・ハリを保つコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸が豊富な層です。真皮が健康だと、ハリ・弾力があり、たるみにくい肌を維持することができます。しかし、加齢とともに線維芽細胞の働きが低下し、コラーゲンが減少し、たるみやすくなります※1。特に30代後半から真皮のコラーゲン産生が減少し、紫外線・酸化ストレス・糖化などでも真皮が劣化していきます。その結果、皮膚が薄くなり、支えが弱くなる とフェイスラインが崩れ・ほうれい線が深くなる、となるのです。
2.治療の順序が大事!「肌育 → たるみ治療」

真皮がスカスカの状態でヒアルロン酸や糸リフトをしても“引っ張る対象”が弱い、と言えます。いつも患者様に「“おぼろ豆腐“ みたいな真皮ではなく、 “高野豆腐” くらいの弾力のある真皮の方が、しっかりと引っ張ることができ、効果が出ます。」とお伝えしています。
まずは真皮に厚みと弾力を取り戻す“肌育”が必要になってきます。肌育で土台を整えてから、ヒアルロン酸・糸リフト、デバイス治療で“形”を整えると効果がより出やすくなります※2。
3.具体的なアプローチ;内側(美容内科的アプローチ)

コラーゲン合成に必要な栄養素(ビタミンC※3、亜鉛、鉄、ビタミンB群など)は必須中の必須です。必要であれば栄養検査も加え、栄養面の弱点を補います。お肌もカラダの一部なので、良い栄養状態が重要です。
また、ミトコンドリア機能改善で線維芽細胞を活性化させる必要があります。ミトコンドリア機能は皮膚細胞(線維芽細胞・角化細胞など)の代謝・再生能力に直結し、加齢によるミトコンドリア機能低下は、コラーゲン合成の減少・皮膚の老化に関与するといわれています※4。ミトコンドリアの3大栄養素をしっかりと摂取し、線維芽細胞を活性化させ、真皮を鍛えていきます。
※ミトコンドリアの記事はこちらに
4.具体的なアプローチ;外側(美容皮膚科的アプローチ)

あらゆる施術で真皮線維芽細胞を刺激し、コラーゲン生成を促します(プルリアル・スネコス・メソナJなど)※2。少し時間がかかる過程に思えるのですが、この真皮治療が最も重要です。急がば回れ、とはこのことです。真皮を治療したあとには必ずいい結果が待っています。
5.40代以降のたるみは “肌の再生” が鍵

40代以降のたるみ治療は、表面的なリフトアップだけでは限界があるのも事実。40代以降では真皮の弾力低下、水分量の減少、真皮の構造変化によって、たるみや小じわが生じることも報告されています※5。真皮を育てることが、若々しさを取り戻す根本治療となります。「たるみ=肌の老化」ではなく、「真皮の衰え」が根本原因の一つにもなります。
最後に
今回のコラムで、なかなか治らないたるみの原因が、真皮にもある、ということがお分かりいただけたのではないでしょうか。診察にて、真皮から治療すべきかどうかは判断できますので、気になられる方はぜひ一度ご来院ください。
参考文献
※1:Makrantonaki E, et al. “Molecular mechanisms of skin aging: state of the art.” Ann N Y Acad Sci. 2012 May;1268:21-8.
※2:Bojarowicz H, et al. “Evaluation of the effect of polynucleotides on skin regeneration.” J Cosmet Dermatol. 2023 Mar;22(3):946-953.
※3:Pullar JM, et al. “The roles of vitamin C in skin health.” Nutrients. 2017 Aug 12;9(8):866.
※4:Sreekumar PG, et al. “Mitochondrial function in skin health, aging, and disease.” Cells. 2021 Sep 16;10(9):2457.
※5:Shin JW, et al. “Age-related changes in skin biophysical properties.” J Dermatol Sci. 2019 Sep;95(3):123-127.