【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江のUNI CLINIC(ユニクリニック)、院長の大嶋です。
当院では、美容皮膚科と美容内科の両面から、肌や身体のお悩みにアプローチしています。
外側からの美容施術と、分子栄養学を活かした内側からのケアを組み合わせ、一人ひとりに合った治療をご提案しています。
はじめに

美しい肌を保つために、皆さんは何を意識していますか?
保湿、紫外線対策、美容医療など、肌を美しくするための方法は数多くあります。
しかし、肌質改善を考えるうえで、僕たち美容に携わるものとしては当たり前でも、意外と知られていない重要な構造があります。
それが「基底膜(きていまく)」です。
今回は、肌の健康を支える基底膜の役割と、その構造を維持するために重要な栄養素について解説します。
1.肌の土台を支える「基底膜」とは?

私たちの皮膚は、大きく分けて表皮と真皮という層から構成されています。基底膜とは、その表皮と真皮の間に存在する非常に薄い膜状の構造です。基底膜は、表皮と真皮をつなぎとめるだけでなく、表皮細胞の増殖や分化、表皮と真皮の情報伝達などにも関わっています。
主な構成成分には、IV型コラーゲン、VII型コラーゲン、ラミニンなどがあります。
つまり、肌の健やかさを維持するためには、表皮や真皮だけでなく、その境界にある基底膜の状態も重要なのです。
2.基底膜がダメージを受けるとどうなる?

基底膜は、加齢や紫外線などの影響によって構造が変化することが知られています。特に紫外線は、皮膚内で活性酸素の産生や炎症反応を引き起こし、MMP(マトリックスメタロプロテアーゼ)などのタンパク質分解酵素の働きを促進します。また、ヘパラナーゼなどの酵素も、基底膜を構成する成分の分解に関与すると考えられています。
こうした変化により基底膜の構造や機能が損なわれると、表皮と真皮の正常な相互作用が妨げられ、肌の弾力低下やシワ、色素沈着などの皮膚老化につながる可能性があります。
そのため、肌質改善を考えるうえでは、コラーゲンを増やすことだけでなく、基底膜を傷める環境を減らし、その構造を健やかに保つことも大切なのです。
3.基底膜の健康を支える栄養素とは?

それでは、基底膜の健康と栄養には、どのような関係があるのでしょうか?重要なのは、基底膜を構成する材料を十分に確保することと、炎症や酸化ストレスによるダメージを減らすことです。それには以下の栄養素が必須になってきます。
・ビタミンC:基底膜の形成と抗酸化
ビタミンCは、コラーゲンの正常な合成に欠かせない栄養素として知られています。
2006年に発表された研究では、ヒトの再構築皮膚モデルにビタミンCを添加することで、基底膜を構成するIV型コラーゲンやVII型コラーゲン、ラミニンなどの沈着が促進され、表皮と真皮の接合構造の形成が改善することが報告されました。
この研究は、ビタミンCが真皮のコラーゲンだけでなく、基底膜の形成にも関与する可能性を示しています。
さらに、ビタミンCには抗酸化作用があり、紫外線などによって生じる酸化ストレスへの防御にも関わっています。ビタミンCは、基底膜の形成と皮膚の抗酸化防御という、2つの視点から注目したい栄養素です。
・タンパク質:基底膜を構成する材料
基底膜を構成するコラーゲンやラミニンは、いずれもタンパク質です。そのため、これらの構造を維持するには、十分なタンパク質の摂取が欠かせません。肉、魚、卵、大豆製品などを日常的に取り入れ、必要なアミノ酸を確保することが大切です。特に食事量が少ない方や、偏った食生活が続いている方では、タンパク質が不足していないか確認することも重要です。
・亜鉛:皮膚組織の維持と修復
亜鉛は、タンパク質合成や細胞増殖、創傷治癒などに関わる重要なミネラルです。
皮膚の正常なターンオーバーや組織修復を支える役割があり、不足すると創傷治癒の遅延などを引き起こすことがあります。基底膜そのものを直接修復する効果が証明されているわけではありませんが、健康な皮膚組織を維持するうえで欠かせない栄養素の一つです。
・オメガ3脂肪酸:皮膚の炎症環境を整える
基底膜の健康を考えるうえでは、構成成分の材料だけでなく、皮膚の炎症にも目を向ける必要があります。紫外線などによって皮膚に炎症が生じると、タンパク質分解酵素の働きなどを通じて、基底膜の構造にも影響を及ぼすことが知られています。
そこで注目したいのが、青魚などに多く含まれるオメガ3脂肪酸です。
オメガ3脂肪酸の一つであるEPAには、炎症に関わる脂質メディエーターの産生を調節する働きがあります。実際に、2004年に発表されたヒトを対象とした研究では、EPAの摂取によって、紫外線照射後の皮膚におけるプロスタグランジンE2(PGE2)の増加が抑制されたことが報告されています。また、2014年の研究でも、EPAを多く含む脂質の摂取によって、皮膚の脂肪酸組成や炎症に関わる脂質メディエーターが変化することが示されています。これらの研究は、オメガ3脂肪酸が皮膚の炎症環境を調節する可能性を示唆しています。
基底膜を健やかに保つためには、構成成分の材料を確保するとともに、皮膚の炎症や酸化ストレスを過剰にしないことも重要だと考えられます。
4.肌質改善は「外側」と「内側」の両方から

美容医療では、レーザーや高周波治療、肌育注射など、さまざまな方法で肌質改善を目指します。外側からのアプローチとしては、基底膜に無痛で肌育成分を届けることのできるターゲットクールや、メソナJ、あるいはジャルプロクラッシックのようなアミノ酸製剤やスキンバイブも基底膜を再活性化させていくには非常に重要と言えます。
あるいは、まさに基底膜を鍛えていくリビジョンのD・E・Jシリーズもかなりいい働きをしてくれます。
しかし、健康な肌を維持するためには、美容施術やスキンケアだけでなく、毎日の紫外線対策や栄養状態にも目を向けることが重要です。特に基底膜は、加齢や紫外線などの影響を受けることが知られているため、日々の紫外線対策は欠かせません。また、タンパク質、ビタミンC、亜鉛などの栄養素を不足なく摂取することは、正常な皮膚組織を維持するための基本です。
さらに、オメガ3脂肪酸など、皮膚の炎症反応に関わる栄養素についても研究が進められています。
もちろん、特定の栄養素を摂取するだけで基底膜が若返るわけではありません。
それでも、肌の構造や働きを理解し、正常な皮膚機能を維持するために必要な栄養を考えることには十分な意味があります。自身の不足している栄養素を知ることも重要なので、そういう意味では当院の「栄養検査」を受けることで、美肌には欠かせないヒントがたくさんみつかるでしょう。
美容医療と栄養学、それぞれの視点から肌の健康を考えることが、これからの肌質改善において重要になるのではないでしょうか。
参考文献
1.Marionnet C, et al. Morphogenesis of dermal-epidermal junction in a model of reconstructed skin: beneficial effects of vitamin C. Experimental Dermatology. 2006;15(8):625–633.
2.Shahbakhti H, et al. Randomized controlled trial of oral omega-3 fatty acids in solar-simulated radiation-induced human cutaneous inflammation. Photochemistry and Photobiology. 2004;80(2):231–235.
3.Pilkington SM, et al. Dietary eicosapentaenoic acid (EPA) supplementation reduces UV-induced skin inflammation in human skin in vivo. Molecular Nutrition & Food Research. 2014.
4.Amano S. Basement membrane damage, a sign of skin early aging, and laminin 5, a key player in basement membrane repair. Advances in Dermatology. 2005;21:131–145.