【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
当院では美容皮膚科と美容内科の両面アプローチで、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
患者様のお悩みに寄り添い、カウンセリングでは美容皮膚科施術と美容内科のバランスやコンビネーションをお伝えし、最適な治療プランをご提案させていただております。
はじめに
美容医療が発展した現在、ヒアルロン酸やボトックス、各種レーザーや肌育治療など、「外からのアプローチ」の種類はどんどん増えてきています。
しかし臨床の現場では、同じ治療を行っても「反応が良い方」と「思ったほど変化が出ない方」が存在するのも事実です。
実は、この差を生む要因の一つが、体内の栄養状態です。
中でも今回取り上げる「亜鉛」は、美容医療の結果を大きく左右するにも関わらず、見落とされがちな重要なミネラルです。
1.亜鉛の美肌効果

亜鉛は体内で300種類以上の酵素反応に関与し、皮膚の再生や修復において中心的な役割を担っています。細胞分裂を促進しターンオーバーを正常化するだけでなく、炎症を抑制し、創傷治癒を促進する働きも持ちます。そのため、施術後の回復や肌質改善のスピードにも影響を与えます。
さらに亜鉛は、皮脂分泌のコントロールにも関与しています。アンドロゲン代謝に影響を与えることで5α還元酵素の活性を抑制し、皮脂の過剰分泌を抑える方向に働きます。臨床的にも、ニキビや脂性肌が改善しにくい症例において、亜鉛補充が奏功する※1ケースは少なくありません。
このように亜鉛は、単なる「肌に良い栄養素」ではなく、皮膚の恒常性そのものを支える基盤と言えます。
2.亜鉛のデトックス効果

亜鉛は抗酸化や解毒機構にも深く関与しています。体内で活性酸素を除去するスーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の構成要素として機能し、酸化ストレスの軽減に寄与します。また、炎症性サイトカインの産生を抑制することで、慢性的な炎症状態を緩和する働きも持ちます。
ここで重要なのが、ビタミンCとの相乗作用※2です。ビタミンCは強力な抗酸化作用に加え、グルタチオンの再生を促進する役割を担います。亜鉛とビタミンCが同時に存在することで、抗酸化ネットワークがより効率的に機能し、結果として解毒能力が底上げされます。
この作用は、単に「体に良い」というレベルにとどまらず、肌のくすみや炎症の軽減、透明感の向上といった美容面にも直結します。美容医療の結果を安定させるためには、このような体内環境の整備が重要です。
3.ボトックス持続効果と亜鉛の関係

ボツリヌストキシンは神経終末に作用するタンパク質分解酵素ですが、その活性には亜鉛が関与していることが知られています※3。つまり、ボトックスは本質的に「亜鉛依存性酵素」として働いているのです。
そのため、体内の亜鉛が不足している状態では、ボトックスの効果発現が弱くなったり、持続期間が短くなる可能性が示唆されています。実際に、亜鉛補充によってボトックスの持続期間が延長したとする報告も存在します。
この点は非常に重要で、「ボトックスが効きにくい」という現象を、技術や製剤の問題だけでなく、体内環境の観点から捉える必要があることを示しています。
4.亜鉛と美容内科

ではなぜ、現代人は亜鉛不足に陥りやすいのでしょうか。
臨床的には、腸内環境の乱れによる吸収低下、慢性炎症による消費増加、ストレスによる代謝効率の低下、さらにはアルコール摂取による排泄亢進など、複数の要因が重なっているケースが多く見られます。
特に潰瘍性大腸炎のような炎症性腸疾患では、吸収障害と慢性炎症が同時に存在するため、亜鉛欠乏が顕在化しやすい状態になります。また、妊娠・出産でも亜鉛はかなり消耗します。
そのため当院では、単に施術を提供するだけでなく、栄養解析を通じて体内の状態を把握し、不足している栄養素を補うアプローチを重視しています。必要に応じてサプリメント補充を行い、同時に可能な限り腸内環境の改善にも介入することで、治療の“反応性そのもの”を底上げしていきます。
美容医療においては、「何をするか」だけでなく、「どのような状態で受けるか」が結果を大きく左右します。
5.亜鉛とミトコンドリア

さらに重要なのが、亜鉛とミトコンドリア機能との関係です。
ミトコンドリアは細胞内でATPを産生するエネルギー産生装置であり、皮膚の再生や修復にも不可欠な存在です。
亜鉛は、ミトコンドリア機能の維持や酸化ストレスの制御に関与しており※4、不足するとATP産生効率の低下を招きます。その結果、細胞の修復能力やターンオーバーが低下し、美容治療に対する反応性も鈍くなります。
つまり、亜鉛不足とは単なる栄養欠乏ではなく、
「細胞がエネルギーを作れない状態」とも言えます。
この視点で見ると、肌治療の反応が悪い症例において、ミトコンドリア機能の低下と亜鉛不足が背景にあると考えています。
最後に
亜鉛は、美肌や皮脂コントロール、抗酸化・解毒、さらにはボトックスの効果やミトコンドリア機能にまで関与する、極めて重要なミネラルです。
美容医療の効果を最大限に引き出すためには、外からの施術だけでなく、体内環境を整えるという視点が不可欠です。
「効く治療」を選ぶことに加えて、
「効く状態を作る」こと。
これこそが、これからの美容医療において重要な考え方だと考えています。
内面からもケアしつつ、美肌治療の効果をより高めていきましょう!
参考文献)
※1:Gupta et al., Dermatol Res Pract, 2014/Dreno et al., Dermatology, 2001
※2:Prasad AS, Mol Med, 2008/Carr & Maggini, Nutrients, 2017
※3:Effect of dietary zinc and phytase supplementation on botulinum toxin treatments
Journal of Drugs in Dermatology. 2012;11(4):507–512
※4:Maret W, J Nutr, 2000/Oteiza PI, Free Radic Biol Med, 2012