美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
私たちは 美容皮膚科と美容内科 の両面からアプローチし、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。
特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
お一人おひとりの悩みに寄り添い、美容皮膚科施術と美容内科のバランスを丁寧にカウンセリングしながら、最適な治療プランをご提案させていただきます。
1.よくある誤解:悪者扱いされる「小麦」と「乳製品」

SNSでは「グルテンフリー」「乳製品フリー」が美容トレンドのように扱われています。
しかし実際は、すべての人に害があるわけではなく、体質・腸内環境・摂取量によって反応が大きく異なります。大切なのは「自分の体がどう反応しているか」を知ることです。
2.小麦が合わない理由:グルテンと腸の関係

グルテン中のグリアジンが腸上皮のタイトジャンクションを一時的に緩め、腸管透過性(leaky gut)を亢進させる可能性が報告されています※1。あるいはセリアック病の患者様はグルテンでリーキーガット症候群を引き超しやすいと言われていますが、日本ではセリアック病はかなり稀です。非セリアック性グルテン感受性(セリアック病ではないが、グルテンで体調が悪くなる方)では、腹部膨満・倦怠・皮膚炎を生じることがある、との報告があります。このように、病気でなくても体質的にグルテンが苦手な人が一定数いる、ということを知っておくことは重要です。
3.乳製品が合わない理由:乳糖不耐症とホルモン反応

日本人の約70〜80%が乳糖分解酵素(LCT遺伝子)低活性型と言われています※2。
また、牛乳摂取による血中IGF-1上昇が皮脂腺を活性化し、ニキビを悪化させるとの報告もあります※3。IGF-1はコラーゲン生成やアンチエイジングにも必要なので、一概に悪とは言えませんが、「皮脂腺を刺激してニキビを悪化させる」という報告※3もあるので、乳製品の摂取量には十分気を付ける必要があります。特に思春期〜20代ではホルモンバランスの影響を受けやく乳製品多めの人ほどニキビが多い、という傾向もあります。一方で、発酵乳製品は乳糖が分解され腸にやさしいものも存在しますので、乳製品を完全に悪者にするのではなく、「自身に合った摂取量があるのだ」と理解する必要があります。
4.「日本人に合わない」と言われる背景

・遺伝的背景
乳糖不耐症率が高く、グルテン感受性を持つHLAタイプも少数存在していると関挙げられています。
・腸内環境
腸内菌叢の多様性が低いと、グルテン・乳糖代謝が不十分になります。日本人は実はこのケースが多いのです。腸内環境の整備が最重要にもなります。
・炎症体質
慢性炎症傾向が強いと、小麦・乳製品由来ペプチドへの反応が強まります。なるべく身体の、特に腸の炎症は抑えねばなりません。
5.遅延型フードアレルギー検査で「体の声」を見える化

小麦や乳製品に対して即時型(IgE)アレルギーではなく、数時間〜数日後に炎症反応を起こす遅延型(IgG)アレルギーが存在します。IgG抗体は「過去の摂取履歴」や「慢性的な免疫刺激」を反映しており、腸内透過性が高い人ほど擬似的に陽性反応が出やすいとされています※4。
この検査を活用すると、「小麦を抜いたら体調が良い」、「乳製品を減らしたら肌の赤みが引いた」といった“体感”の根拠が見える形で確認することができます。
ただし、IgG陽性=完全除去すべきではない点が重要になります(食べられないわけではない)。栄養療法的には「負荷を減らして腸の回復を待つ」というステップ的対応を推奨しています。
※遅延型フードアレルギー検査について(過去コラム参照)
まとめ
小麦・乳製品は一律に「悪」ではなく、体質によって反応の出方が異なります。「除去」の前に、「反応の見える化」が推奨されます。栄養解析+遅延型アレルギー検査で、腸・免疫・炎症のバランスを客観的に評価しましょう。消化が負担になっている場合は、発酵食品・酵素補助・代替タンパク源の活用をご指導させていただいております。
小麦も乳製品も「悪者」ではなく「体質次第」。遅延型フードアレルギー検査や栄養検査を通じて、“あなたの腸と免疫の相性”を知ることが、美と健康の第一歩です。
気になる方はぜひ一度ご来院ください。
参考文献)
※1:Fasano A. N Engl J Med. 2012
※2:Ingram CJ. Am J Hum Genet. 2009
※3:Melnik BC. Dermatoendocrinol. 2012
※4:Tan J. Clin Transl Allergy. 2017