【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
私たちは 美容皮膚科と美容内科 の両面からアプローチし、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。
特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
お一人おひとりの悩みに寄り添い、美容皮膚科施術と美容内科のバランスを丁寧にカウンセリングしながら、最適な治療プランをご提案させていただきます。
はじめに

今日は僕も大好きなナイアシン(ビタミンB3)のお話です。ナイアシンの基本的な内容については過去コラムにも書いています。
今回はより美容の観点に立って、ナイアシンについて語ろうと思います。
1.ミトコンドリア機能を支え、肌の代謝を底上げ

ナイアシンは、体内で「ナイアシンアミド」として働き、NAD⁺という補酵素の原料になります。このNAD⁺は、ミトコンドリアのエネルギー産生・DNA修復・老化制御など、まさに“肌の若さを保つ司令塔”のような存在です。ナイアシンがNAD⁺に変わることで、ミトコンドリアの機能が活性化し、ATP産生が増え、肌のターンオーバーが整い、くすみやハリの低下を改善します※1。ナイアシン補給がミトコンドリアの新生と酸化代謝を改善することが示されています。感覚的にはビタミンB群のブースター的な位置づけとして治療に使用しています。ナイアシンを内服すると、肌荒れが治りやすく、くすみや赤みもなくなりやすい印象です。
2.炎症・酸化ストレスを抑制し、老化を防ぐ

ナイアシンアミドにはNF-κBという炎症スイッチを抑える作用があります。紫外線やストレスで生じる慢性炎症・酸化ストレスを抑え、シミ・シワ・たるみの進行を防ぎます。ナイアシンは細胞レベルで、炎症のスイッチをオフしてくれるのです。スキンケアにもよく使用されますが、外用ナイアシンアミドがUV誘発性の炎症や色素沈着を抑えるという報告もあります※2。もちろん、内服による内面からの作用も良い効果が得られることも報告されています。
3.バリア機能を高め、潤いのある肌へ

ナイアシンアミドは、角化細胞でのセラミド合成を促進し、バリア機能と水分保持力をアップします。その結果、乾燥や肌荒れを防ぎ、しっとりとした質感をサポートします。
ナイアシンアミドがセラミド産生を増やし、皮膚バリアを改善することが確認されています※3。
4.美容内服としてのポイント

美容目的では500mg/日程度(※医師の指導のもと)摂取してもいいと考えます。高容量では「ナイアシンフラッシュ(ほてり)」が出るため、必ずナイアシンアミド型を選ぶのがおすすめ。代謝をサポートするため、ビタミンB群・マグネシウムとの併用も推奨されます。併用はかなり効果的です。もちろん、先述のとおり美容だけでなく、ミトコンドリアのエネルギーになること、メンタルの安定に役立つこと、脂質代謝にも関わる、などナイアシンは本当に優秀なのです。
5.外側×内側のダブルアプローチで最強の美肌習慣へ

ナイアシンアミド配合のスキンケアを使いながら、内側からサプリメントで補うことで、美肌効果が相乗的に高まります。ターンオーバーの質、炎症コントロール、潤いの持続――
全てを底上げする“根本ケア”として取り入れてみてください。根本ケアが行き届くと、肌育注射や、エネルギーデバイスによる施術も、さらに効果を感じやすくなります。お肌も根本から変えていきませんか?
※画像は僕の大好きなSkin Amureです。ナイアシンアミドをふんだんに使用していて、ナイアシンの効果を実感できるスキンケア商品です。
まとめ
ナイアシンは「ただのビタミン」ではなく、肌を若々しく保つための細胞エネルギーの鍵。
くすみ、乾燥、炎症――どれも「ナイアシン不足」が関係している可能性があります。
美容治療の反応性を高めたい方、美肌の土台を整えたい方は、ぜひナイアシンを“内側のスキンケア”として取り入れてみましょう。
参考文献
※1:Lapatto HAK, Kuusela M, Heikkinen A, Muniandy M, van der Kolk BW, Gopalakrishnan S, Pöllänen N, Sandvik M, Schmidt MS, Heinonen S, Saari S, Kuula J, Hakkarainen A, Tampio J, Saarinen T, Taskinen MR, Lundbom N, Groop PH, Tiirola M, Katajisto P, Lehtonen M, Brenner C, Kaprio J, Pekkala S, Ollikainen M, Pietiläinen KH, Pirinen E. Nicotinamide riboside improves muscle mitochondrial biogenesis, satellite cell differentiation, and gut microbiota in a twin study. Sci Adv. 2023 Jan 13;9(2):eadd5163.
※2:Grange PA, Raingeaud J, Calvez V, Dupin N. Nicotinamide inhibits Propionibacterium acnes-induced IL-8 production in keratinocytes through the NF-kappaB and MAPK pathways. J Dermatol Sci. 2009 Nov;56(2):106-12.
※3:Tanno O, Ota Y, Kitamura N, Katsube T, Inoue S. Nicotinamide increases biosynthesis of ceramides as well as other stratum corneum lipids to improve the epidermal permeability barrier. Br J Dermatol. 2000 Sep;143(3):524-31.