【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC 院長、大嶋です。私たちは 美容皮膚科と美容内科 の両面からアプローチし、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。お一人おひとりの悩みに寄り添い、美容皮膚科施術と美容内科のバランスを丁寧にカウンセリングしながら、最適な治療プランをご提案させていただきます。
はじめに

今回は睡眠ホルモンの「メラトニン」についてお話します。メラトニンは様々な魅力があり、決して睡眠の促進だけが役割ではないということをぜひ知っていただきたいです!
1. メラトニンとは?

一般的に「眠りのホルモン」として知られるメラトニンは、脳の松果体から分泌され、睡眠と覚醒のリズムを整える役割を持っています。アミノ酸であるトリプトファン、セロトニンから合成され、夜間に多く分泌されることで深い睡眠をサポートします。日本では医薬品扱いのためサプリメントとしての入手は限られますが、アメリカをはじめとする海外ではOTCサプリメントとして広く流通しています。用法容量には気を付ける必要がありますので、日本のように医師の指示のもとに内服をするほうが安心と考えます。
2.栄養とメラトニン

体内でメラトニンを作るためには、栄養素の補給が不可欠です。
・トリプトファン(大豆、ナッツ、卵)
・ビタミンB6(魚、にんにく、バナナ)
・マグネシウム(ナッツ、海藻)
自前で作れるに越したことはありません!
また、就寝前2時間のブルーライト回避も、自然なメラトニン分泌を守るうえで重要です。
3. 強力な抗酸化力

メラトニンはビタミンCやEを上回るほどの強力な抗酸化作用を持つことが知られています。
・活性酸素・活性窒素を直接除去
・ミトコンドリア内で酸化ダメージを抑制
・グルタチオンなど他の抗酸化物質の再利用を助ける
このため、シミ・しわ・たるみなどの光老化や皮膚老化に対して防御的に働く可能性が報告されています※1。
4. 皮膚でのエビデンス

ヒトの臨床研究において、外用メラトニンは紫外線による紅斑を有意に抑制することが確認されています。
・メラトニン+ビタミンC・Eで紫外線紅斑抑制※2
・外用メラトニン単独でも紅斑抑制※3
・抗酸化・抗炎症・DNA修復支援をサポート※4
これらから、「美容医療の結果を長持ちさせるベース」として期待できる成分であることが示されています。
5.美容皮膚科とメラトニンの親和性

前述の内容からも、メラトニンは美容皮膚科領域とも親和性が高いことがわかります。シンプルにお伝えすると、活性酸素を強く除去し、抗酸化作用を発揮することでシミ・しわ改善およびアンチエイジングに作用します。
深い睡眠と並行して分泌される成長ホルモンと連動し、コラーゲン合成を促進し、酸化ストレスを抑制することで、赤み・色素沈着リスク低下させます。自律神経やホルモンバランスを調整できるので、肌荒れ・ニキビ対策にも効果を発揮します。
6.”機嫌の良さ” と ”セロトニン”との関係

メラトニンを内服すると、機嫌が良くなります。興味深いことに、メラトニン摂取がセロトニンの分泌や代謝を促す可能性も報告されています。
ラット研究※5:急性投与・反復投与のいずれにおいても、視床下部や扁桃体など複数の脳領域でセロトニン濃度上昇が確認。このことから、メラトニンは「眠りを整える」だけでなく「気分の安定や幸福感」に寄与する可能性がある。
ヒトでの直接的エビデンスは限られますが、「メラトニンを摂ると気分が良くなる」という実感を裏付ける一つの仮説的メカニズムといえるでしょう。面白いですよね!
まとめ
メラトニンは「眠りのホルモン」であると同時に、強力な抗酸化作用を持つアンチエイジングホルモンです。光老化防御に関する臨床エビデンスがある成分で、セロトニンと連動し、気分の安定にも寄与する可能性があるという多面的な特徴を持っています。睡眠の質を整え、酸化ストレスを抑えることは、美容治療の結果を最大化し、日々の“ご機嫌な美しさ”を支える基盤になるのです。皆さんもぜひメラトニンをお試しください。
参考文献
※1
Reiter RJ. Actions of melatonin in the reduction of oxidative stress. 2000
Reiter RJ. Melatonin as an antioxidant: under promises but over delivers. 2016
Reiter RJ. Central Organelles for Melatonin’s Antioxidant and Anti-Aging Actions. 2018
※2:Reiter RJ, Tan DX, Osuna C, Gitto E. Actions of melatonin in the reduction of oxidative stress. A review. J Biomed Sci. 2000 Nov-Dec;7(6):444-58.
※3:Bangha E, Elsner P, Kistler GS. Suppression of UV-induced erythema by topical treatment with melatonin (N-acetyl-5-methoxytryptamine). Influence of the application time point. Dermatology. 1997;195(3):248-52.
※4:Scheuer C, Pommergaard HC, Rosenberg J, Gögenur I. Dose dependent sun protective effect of topical melatonin: A randomized, placebo-controlled, double-blind study. J Dermatol Sci. 2016 Nov;84(2):178-185.
※5:Oxenkrug GF, Requintina PJ, McIntyre IM, White K. Chronic effect of the irreversible and reversible selective MAO-A inhibitors on rat pineal melatonin biosynthesis. J Neural Transm Suppl. 1994;41:381-4.