―ヒスタミン代謝・腸内環境・炎症の視点から―
【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
当院では美容皮膚科と美容内科の両面アプローチで、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
患者様のお悩みに寄り添い、カウンセリングでは美容皮膚科施術と美容内科のバランスやコンビネーションをお伝えし、最適な治療プランをご提案させていただております。
はじめに

春になると、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといった花粉症の症状に悩まされる方が増えます。一般的には抗ヒスタミン薬などの薬物療法が中心となりますが、花粉症は単に「花粉の量」だけで決まるものではなく、体内環境の影響も強く受けます。
美容内科の視点では、花粉症の背景には主に次の要素が関与していると考えられています。
・ヒスタミン代謝
・腸内環境
・慢性炎症
これらのバランスを整えることが、体質改善のヒントになる可能性があります。今回は美容内科の視点から見た花粉症対策についてお話します。
1.ヒスタミン代謝;花粉症の症状は「ヒスタミン」で起こる

花粉症の症状の多くは、免疫反応によって放出されるヒスタミンによって起こります。
ヒスタミンは、「くしゃみ・鼻水・目のかゆみ・粘膜の炎症」といった典型的なアレルギー症状の原因になります。
通常、体内ではヒスタミンは“DAO(Diamine oxidase)”という酵素によって分解されます。しかしこの代謝がうまく機能しない場合、ヒスタミンが体内に蓄積し症状が強くなる可能性があります。ヒスタミン代謝を支える栄養素として注目されているのが
ビタミンC、ビタミンB6です。
ビタミンCにはヒスタミン濃度を低下させる作用が報告されています。ビタミンCを1,000mg/日摂取すると血中ヒスタミン濃度が低下したことが報告されています※1。さらに、静脈投与による研究でも血中ヒスタミンの有意な低下が確認されています。
またビタミンB6は、ヒスタミン分解酵素であるDAOの補因子として働き、ヒスタミン代謝をサポートします。
2.腸内環境;花粉症は「腸の免疫」と関係する

免疫細胞の約70%は腸に存在すると言われています。腸内環境が乱れると、腸粘膜バリア低下、免疫バランスの乱れ、炎症反応増加、などが起こり、アレルギー症状が悪化する可能性があります。
一般的には、味噌、納豆などの和食の発酵食品が腸内環境改善として我々日本人には推奨されます。
しかし一方で、発酵食品にはヒスタミンが含まれている場合があります。
ヒスタミン不耐症では、発酵食品、チーズ、ワイン、などが症状を悪化させる可能性があることも報告されています※3。そのため花粉症の時期には、発酵食品を過剰に摂るよりも、プレバイオティクス(腸内細菌のエサとなる栄養素)を活用する方法がいいでしょう。
代表的なプレバイオティクスとしては、イヌリン、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖が挙げられます。これらは腸内の善玉菌を増やし、腸内環境の改善をサポートします。広義には”食物繊維” もプレバイオティクスとして捉えることができます。
食物繊維については過去コラムもチェック!
3.ヒスタミンと腸内細菌の関係

近年の研究では、腸内細菌の中には、「ヒスタミンを産生する菌」、「ヒスタミンを分解する菌」が存在することが分かっています。
腸内細菌バランスが崩れると、
ヒスタミン産生菌増加→腸内ヒスタミン増加→アレルギー反応増強
につながる可能性があると考えられています。
つまり腸内環境は、免疫だけでなくヒスタミン代謝にも影響する可能性があるのです。腸内環境は常に守っていく必要がありますね。
4.慢性炎症

花粉症の背景には、慢性的な炎症状態が関与していることもあります。この炎症を抑える天然成分として注目されているのが、“ケルセチン“です。
ケルセチンはポリフェノールの一種で、肥満細胞の安定化、ヒスタミン放出抑制、抗炎症作用を持つことが知られています。研究ではケルセチンが肥満細胞からのヒスタミン放出を抑制することが報告されています※4。
また、亜鉛、マグネシウム、も免疫バランスや炎症制御に関与する重要な栄養素です。
5.花粉の時期に起こる「肌荒れ」

花粉症の時期には、肌のかゆみ、赤み、乾燥、ニキビ、といった肌トラブルが増える方も少なくありません。これは、ヒスタミンによる炎症、皮膚バリア機能低下、酸化ストレス、が重なるためと考えられています。美容内科的な肌荒れ対策としてはまずなんといっても、ビタミンCです!抗酸化作用と抗炎症作用を持ち、皮膚の炎症反応を抑える可能性があります。
次に亜鉛も皮膚修復や抗炎症作用を持ち、肌トラブルの回復をサポートします。
さらに、オメガ3系脂肪酸である、EPA・DHAは抗炎症作用を持ち、炎症性皮膚疾患の改善に寄与する可能性が示唆されています。
まとめ
花粉症は単なる季節性疾患ではなく、
・ヒスタミン代謝
・腸内環境
・慢性炎症
といった体内環境と密接に関係しています。
さらに花粉シーズンには肌バリアが低下し、肌荒れが起こりやすい状態にもなります。
当院の美容内科では、
「栄養状態の改善、腸内環境の調整、抗炎症アプローチ」
といった体の内側からのケアを通して、花粉症や肌トラブルの改善を目指します。
毎年花粉の時期になると体調や肌の調子が崩れる方は、薬だけでなく体内環境の見直しという視点も取り入れてみるとよいかもしれません。気になる方はいつでもお気軽にご相談ください。
参考文献)
※1:Clemetson CA. Histamine and ascorbic acid in human blood. J Nutr. 1980 Apr;110(4):662-8.
※2:Hagel AF, Layritz CM, Hagel WH, Hagel HJ, Hagel E, Dauth W, Kressel J, Regnet T, Rosenberg A, Neurath MF, Molderings GJ, Raithel M. Intravenous infusion of ascorbic acid decreases serum histamine concentrations in patients with allergic and non-allergic diseases. Naunyn Schmiedebergs Arch Pharmacol. 2013 Sep;386(9):789-93.
※3:Comas-Basté O, Sánchez-Pérez S, Veciana-Nogués MT, Latorre-Moratalla M, Vidal-Carou MDC. Histamine Intolerance: The Current State of the Art. Biomolecules. 2020 Aug 14;10(8):1181.
※4:Mlcek J, Jurikova T, Skrovankova S, Sochor J. Quercetin and Its Anti-Allergic Immune Response. Molecules. 2016 May 12;21(5):623.