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美容内科

妊娠と栄養

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―「葉酸だけ」では語れない、からだの準備の話―

【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】

大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック)  院長、大嶋です。

当院では美容皮膚科と美容内科の両面アプローチで、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。

患者様のお悩みに寄り添い、カウンセリングでは美容皮膚科施術と美容内科のバランスやコンビネーションをお伝えし、最適な治療プランをご提案させていただております。

はじめに

妊娠というと、「葉酸を飲みましょう」「鉄分を摂りましょう」という話はよく耳にします。

もちろんそれらは大切ですが、実際の妊娠はそれほど単純ではありません。

妊娠は、

ホルモン・免疫・代謝・酸化ストレスが一斉に変化する、

いわば「全身の再設計」が起こるイベントです。

そのため、妊娠前から妊娠中にかけては

一つの栄養素だけを見るのではなく、複数の栄養素を立体的に考える視点が重要になります。

今回は、妊娠と深く関わる

亜鉛・ビタミンD・ビタミンE・ビタミンB群・鉄

という主要な栄養素について、医学的な視点から整理してみます。

1.妊娠を「支える力」―亜鉛の重要性

亜鉛は、細胞分裂やDNA合成、免疫機能に欠かせないミネラルです。

妊娠においては、胎盤形成や胚発生の初期段階から深く関与しています。

亜鉛が不足すると、

・着床の維持が不安定になる

・胎児発育が遅れやすくなる

・早産リスクが高まる

といった関連が報告されています※1

日本人女性はもともと亜鉛摂取量が少ない傾向があり、妊娠によって需要が増えることで、さらに不足しやすくなります。妊娠を「成立させる」だけでなく、安定して維持するための基礎栄養素として、亜鉛は非常に重要です。

2.妊娠は免疫のイベント―ビタミンDの役割

妊娠は、免疫学的に見ると少し不思議な状態です。

胎児は母体にとっては新たなものにも関わらず、母体はそれを攻撃せず、受け入れています。

この免疫寛容※2に深く関わるのが、ビタミンDです。

ビタミンDは骨の栄養として知られていますが、実は免疫調節や胎盤機能、ホルモン産生にも関与しています。

妊娠中にビタミンDが不足すると、

・妊娠高血圧症候群

・妊娠糖尿病

・早産や低出生体重

といったリスクとの関連が指摘されています。

現代女性は日光曝露が少なく、自覚のないビタミンD不足が非常に多いのが実情です。

過去のビタミンDのコラムもご参照ください。

3.妊娠は「酸化」との戦い―ビタミンEの視点

妊娠中は、代謝が活発になることで酸化ストレスが増加します。この酸化ストレスから母体と胎盤を守る役割を担うのが、ビタミンEです。

ビタミンEは脂溶性の抗酸化ビタミンで、細胞膜や胎盤血流の維持に関与します。

不足すると、胎盤機能の低下や妊娠経過への影響が示唆されています。

「妊娠=守る力が必要な状態」

その視点で見ると、抗酸化栄養素の重要性は非常に理解しやすくなります。

4.神経と代謝を支える―ビタミンB群

ビタミンB群は、エネルギー代謝や神経伝達物質の合成に関わる栄養素です。

特にビタミンB6は、妊娠初期のつわり(悪阻)軽減との関連が複数の研究で報告されています※3。また、B群全体としては、母体の代謝を支え、胎児の成長環境を整える役割を担います。葉酸もB群の一種ですが、「葉酸だけ摂っていれば大丈夫」という考え方では、

妊娠の複雑な生理をカバーしきれません。ビタミンBはそれぞれを補い合いながら機能していくのです。

5.鉄は「必要だが、慎重に」考える栄養素

妊娠中は血液量が増えるため、鉄の需要は確実に高まります。鉄不足は鉄欠乏性貧血を引き起こし、母体の疲労感や胎児への酸素供給にも影響します※4。一方で、炎症がある状態やフェリチンが高い状態での安易な鉄補充は、かえって酸化ストレスを高める可能性もあります。

鉄は

「不足していないか」

「過剰になっていないか」

を検査で確認しながら考えるべき栄養素です。

市販のサプリメントをむやみに摂取するのではなく、ご自身の鉄の状態を調べてから摂取しましょう。

6.妊娠中に起こる「銅高値」と栄養バランス

妊娠中はエストロゲンの影響で、血中の銅が生理的に高値になりやすくなります。

銅は必要なミネラルですが、過剰になると

・酸化ストレスの増加

・亜鉛とのバランス破綻

を引き起こす可能性があります。

ここで重要になるのが、亜鉛とビタミンCです。

亜鉛は銅と拮抗し、ビタミンCは抗酸化作用とともに金属代謝のバランスを整える働きがあります。妊娠期は「何を足すか」だけでなく、体内バランスをどう整えるかという視点も欠かせません。

おわりに:妊娠前から始まる準備

妊娠は、妊娠してから始まるものではありません。

妊娠前の栄養状態が、妊娠経過やその後の体調に大きく影響します。

大切なのは、

・一つの栄養素に偏らないこと

・自己判断で過剰摂取しないこと

・必要に応じて検査を行い、体に合った栄養設計をすること

妊娠は奇跡ですが、

その奇跡を栄養面から支えることは可能です。

「整った体で妊娠を迎える」

それは、母体と赤ちゃん、両方への大切な準備だと考えています。

参考文献)

※1:Keats EC, Oh C, Chau T, Khalifa DS, Imdad A, Bhutta ZA. Effects of vitamin and mineral supplementation during pregnancy on maternal, birth, child health and development outcomes in low- and middle-income countries: A systematic review. Campbell Syst Rev. 2021 Jun 26;17(2):e1127.

※2:Tamblyn JA, Hewison M, Wagner CL, Bulmer JN, Kilby MD. Immunological role of vitamin D at the maternal-fetal interface. J Endocrinol. 2015 Mar;224(3):R107-21.

※3:Salam RA, Zuberi NF, Bhutta ZA. Pyridoxine (vitamin B6) supplementation during pregnancy or labour for maternal and neonatal outcomes. Cochrane Database Syst Rev. 2015 Jun 3;2015(6):CD000179.

※4:Finkelstein JL, Cuthbert A, Weeks J, Venkatramanan S, Larvie DY, De-Regil LM, Garcia-Casal MN. Daily oral iron supplementation during pregnancy. Cochrane Database Syst Rev. 2024 Aug 15;8(8):CD004736.

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