― 抗酸化やシミ予防だけで終わらせない、美容内科的な本当の役割 ―
【美容内科×美容皮膚科コンビネーションを用いて、本来の美しさのポテンシャルを引き出す】
大阪・北堀江の UNI CLINIC (ユニクリニック) 院長、大嶋です。
当院では美容皮膚科と美容内科の両面アプローチで、外側だけでなく、体の内側から本質的な美しさを引き出す治療を提供しています。特に、分子栄養学を活かした美容内科アプローチ により、肌の健康を根本から支えることを大切にしています。
患者様のお悩みに寄り添い、カウンセリングでは美容皮膚科施術と美容内科のバランスやコンビネーションをお伝えし、最適な治療プランをご提案させていただております。
はじめに

今回は美容皮膚科的にも美容内科的にも重要なビタミンEについてのお話です。シミ治療や予防に効果的であることは良く知られています。また「ビタミンEは抗酸化にいい」、これもよく知られていますが、実はそれだけではビタミンEの本質は語りきれません。 美容内科の視点で見ると、ビタミンEは “肌を作る” ビタミンではなく、 “肌が壊れないように守る” ビタミンです。ビタミンEのあらゆる魅力をみていきましょう。
1.抗酸化は単独では成立しない ― ビタミンC・グルタチオンとの連携 ―

ビタミンE(α-トコフェロール)は脂溶性抗酸化ビタミンの代表であり、皮膚の細胞膜や皮脂に存在して紫外線や炎症による脂質の酸化を防ぐ役割を担っています。紫外線からお肌を守る第一の門番のようなイメージです。
ただし重要なのは、ビタミンEは一人で完結しないという点です。ビタミンEは酸化ストレスを受け止めると、自身も「酸化型」になります。この酸化型ビタミンEを再び働ける状態に戻すのが “ビタミンC” であり、さらにそのビタミンCを還元・再利用するのが “グルタチオン” なのです。
この
- ビタミンE
- ビタミンC
- グルタチオン
による抗酸化ネットワークは、皮膚における紫外線防御・炎症抑制において重要な役割を果たすことが示されています※1。
どれか1つを大量に摂るより、同時に揃っていることが、肌にとっては意味を持ちます。
2.シミ予防・治療におけるビタミンEの立ち位置

ビタミンEは、美白成分のように「メラニン産生を直接抑制する主役」ではありません。
しかし、紫外線後の炎症反応を抑える、脂質過酸化を防ぐ、皮膚バリア機能を安定させる、といった作用を通じて、シミが定着しにくい肌環境を整える役割を果たします。
実際、ビタミンEは紫外線による皮膚ダメージや酸化ストレスに対する防御因子として位置づけられています※2。
レーザーや光治療、外用治療を行う際も、体内の抗酸化状態が整っていることで、「炎症の遷延」、「炎症後色素沈着」のリスクを下げやすくなります。ビタミンEは治療効果を直接高めるというより、治療の邪魔をしない土台を作る存在なのです。
3.オメガ3と組み合わせることで乾燥対策にも

乾燥肌やインナードライに対して、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)を意識する方も増えています。オメガ3は、細胞膜の構成成分、抗炎症作用、を持つ有用な脂質ですが、酸化されやすいという弱点があります。
ここで重要になるのが、ビタミンE。オメガ3が肌の材料を補い、ビタミンEはその脂質が酸化されるのを防ぐ、この2つを同時に考えることで、乾燥しにくく、炎症が起きにくい肌環境が整います。
オメガ3脂肪酸の抗炎症作用と皮膚バリアへの関与は複数のレビューで示唆されています※3。
「せっかく良い油を入れるなら、それを守る抗酸化も一緒に」。これは美容内科的に非常に重要な考え方です。
4.細胞膜、ミトコンドリアを守るという視点

先述の通り、ビタミンEは細胞膜を酸化から守るビタミンでもあります。細胞膜が安定すると、栄養の出入り、水分保持、細胞内代謝、が正常に行われます。これはミトコンドリア機能とも深く関係し、治療反応性の高い肌につながります。経口でのα-トコフェロール補給により、皮膚中のビタミンE濃度が上昇したという報告※4もあり、体内環境が皮膚に反映されることが示唆されています。
5.血流とくすみ改善への関与

ビタミンEは、末梢血流の改善、赤血球膜の柔軟性維持、にも関与するとされています。
血流が整うことで、くすみ、血色不良、疲れて見える印象の改善につながる可能性があります。「血色感」はスキンケアだけでは限界もあり、体の内側からのアプローチも非常に重要になってきます。
最後に
ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、過剰摂取は推奨されません。重要なのは単剤で大量に摂ることではなくビタミンC、グルタチオン、オメガ3とのバランスです。
美容に良いからといって、「多ければ多いほど良い」わけではない。これも、美容内科的に非常に大切な視点です。
(参考文献)
※1:Ganceviciene R, Liakou AI, Theodoridis A, Makrantonaki E, Zouboulis CC. Skin anti-aging strategies. Dermatoendocrinol. 2012 Jul 1;4(3):308-19.
※2:Liu X, Yang G, Luo M, Lan Q, Shi X, Deng H, Wang N, Xu X, Zhang C. Serum vitamin E levels and chronic inflammatory skin diseases: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2021 Dec 14;16(12):e0261259.
※3:Sawada Y, Saito-Sasaki N, Nakamura M. Omega 3 Fatty Acid and Skin Diseases. Front Immunol. 2021 Feb 5;11:623052.
※4:Schagen SK, Zampeli VA, Makrantonaki E, Zouboulis CC. Discovering the link between nutrition and skin aging. Dermatoendocrinol. 2012 Jul 1;4(3):298-307.